RESEARCH REPORT #03 ドライブ×音楽×感情

ストレスを音楽で解消する

 神経科学者のサポルスキーは、「野生動物はライオンから逃れるのに30年は要しない。しかし、人間は30年ローンやそれ以外の長期に渡る問題を抱えている」と書いている。これはまさに現代社会のストレスを象徴しているといえる。私たちが仕事で上司に怒られたり、人間関係でうまくいっていなかったりするときには脳内から「コルチゾル」というストレスホルモンが分泌される。このコルチゾルは一時的に人間の行動レベルを上げるという必要なホルモンではあるが、サポルスキーが言っているように現代では長期にわたって分泌され続けるから気持ちが落ちてしまうのだ。この状況を音楽で解消してみたい。シチュエーションに合った適切な音楽を聴くことで実際にコルチゾルの値が下がり、ストレスレベルが軽減されることが分かっている。
 ストレスを解消するためのリスニングとしては自宅でおとなしく聴いているのではなく、行動を伴ったドライブ空間をぜひおすすめしたい。

ドライブでは視覚からの刺激もあり、美しい景色とともに音楽を味わうことができる。美しい景色に美しい音楽を合わせることによってその効果がより強調されるからだ。専門用語で「共鳴現象」と呼ばれているもので、視覚からの刺激と聴覚からの刺激のシナジー効果が発揮される。流れる景色と一緒に気持ちのよい音楽を聴くことができるのはドライブという空間が持ち合わせるアドバンテージといえるのだ。
 ストレス解消のための音楽の選び方で意識しておきたいのが「同調効果」である。これは「自分と同じ気持ちの音楽を聴く」ことで、気持ちが解放されるという効果のこと。気持ちが落ちているからといって、反対の性格を持つ明るい音楽を聴いてしまうとむしろストレスが溜まってしまう。快の感情に近づけるには音楽に「分かってもらった」という代弁効果が必要になる。自分と同じ感情を持つ音楽を聴くことで安心感が生まれ、前向きな気持ちになってくる。その後、徐々に音楽のテンションを上げていくことで上手に感情をコントロールすることができるのだ。

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